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わが国の近代水道は、明治20(1887)年に横浜で給水を開始してから、120年近くの歴史を経ています。この間に、震災などの自然災害や第二次世界大戦の戦禍を経験してきましたが、水道関係者の懸命の努力によりその都度復興を遂げ、国民の生活や社会活動に欠かせないライフラインとしての機能を維持発展させてきました。
昭和40(1965)年代以降、勢いを増す経済成長を背景に人口も年々増加し、増大する生活用水や業務用水の需要に対応するため、全国各地で水道の整備が進みました。その結果、水道普及率も著しく向上しました。このように増加する人口を背景として、整備・拡張を続けてきた水道ですが、これからは人口の減少が見込まれ、また、わが国の水洗トイレの普及率が約9割となるなど、水の使用量の増加要因も少なくなっています。そうすると地域全体の給水量が横ばい若しくは減少しますので、これまでと同じ計画給水量を前提とした水道施設では稼働率が低下し、効率も悪くなる一方です。したがって、より効率的になるように、水源や浄水場、配水系統を統合するなど、施設全体を見直さなければなりません。
さらに、高度経済成長時代に布設した水道管や、浄水場、配水池などの施設は30年〜40年も経過して次第に老朽化が目立つようになり、地震等の災害に対しても弱い施設が多くなっています。また、水質面では安全性や味の面で利用者のニーズはますます高くなっていますが、今の施設のままではそれに対応するのも困難になってきています。
そのため、今後数十年から1世紀先を展望すると、これまで人口増大期を支えてきた水道の老朽施設の計画的更新や施設の再構築は、どの水道事業者でも決して避けることのできない課題になっています。しかし一方では、先ほど見てきたように、これからの時代は人口減少に加えて少子高齢化が進むと、医療、福祉などの社会保障費だけでなく、あらゆる社会の経費に対して国民の負担能力が減少してゆくことも予想されますので、水道にとっても、利用者である国民の皆様の理解を得て施設の計画的な更新・改良のための費用を確保することは、決して容易なことではありません。ですから、水道側でも、利用者にご理解をいただくと同時に、またその前提として、できるだけ高効率で低コストの更新の仕組みや手法を確立し、導入するなどの粉骨砕身の努力が急務となっています。 |