水道広域化の形態

  これまで水道の広域化は主として効率的に水需給の均衡を図る目的で行われてきましたが、近年は、経営基盤や技術基盤の強化という観点から、地域の実情に応じて事業統合や共同経営だけでなく、管理の一体化等の多様な形態による広域化(新たな概念の広域化)が提唱され推進されています。
 水道の広域化により期待される効果は、水需給の不均衡の解消や施設整備水準の平準化などに加え、経営及び技術両面での恒久的な事業運営に向けた運営基盤の強化に重点が置かれています。
 新たな概念の広域化を含めた、水道広域化の各形態は下図のとおりです。

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新たな水道広域化のイメージ 水道広域化検討の手引き(平成20年度)より
新たな水道広域化のイメージ(水道ビジョンより)
※画像をクリックすると「新たな水道広域化のイメージ」PDFが開きます。

広域化の段階的推進 ~新たな概念の広域化から事業統合へ~

 これまでの広域化は、事業統合をイメージしており、広域化を推進するためには、水道事業体間の様々な格差の調整やステークホルダーへの説明を含め、多大な労力と時間が必要でした。一方で、技術継承等の問題については、水道事業体によっては喫緊の対策が必要な状況となっています。このため、事業統合の早期実現が困難な場合は、過渡的な措置として、事業統合よりも容易に推進可能であり、かつ即効性のある効果が期待できる、業務の共同化等の新たな概念の広域化を推進していくことが有効です。
 業務の共同化等により、維持管理体制や顧客管理について共同委託など管理の一体化で合理化を図るほか、民間を含む外部の人的資源や技術を有効に活用しながら効率的かつ効果的な対応が可能となります。さらには、これを契機として経営基盤を含めた運営基盤を強化・維持するための抜本的な対策としての事業統合を目指すことも検討すべきです。


事業統合と経営一体化
※画像をクリックすると「水道広域化の形態(パターン)と期待される効果と課題」PDFファイルが開きます。


広域化で期待される効果

 水道の広域化では、料金収入の安定化やサービス水準等の格差是正、施設余剰能力の有効活用、災害・事故等の緊急時対応力強化(水源の複数化、バックアップ機能の強化)等の大きな効果が期待できます。 また、人材、資金、施設、情報、水資源等の経営資源の共有化と効率的活用、スケールメリットを生かした事業運営により、技術の継承を含めた運営基盤の恒久的な維持向上と水道利用者への均一で質の高いサービスを安定的に提供することが可能となります。
 運営基盤が脆弱な水道事業体は、今後単独での事業運営が困難になることも予想され、広域化以外の対策のみでは、水道に求められている「安全」、「安定」、「持続」を実現できない水道事業体が現れ、一部地域の水道利用者にのみリスクを負わせる可能性が生じます。
 一方、運営基盤が強固で広域化の際に核となりうる水道事業体にとっても、水源を含めた施設余力の有効活用等の数々のメリットがあり、積極的に検討を行うことが必要です。
 本協会が調査した先行事例においては、事業体間の格差是正が実現し、高い水準での事業運営が可能となったことが確認されているほか、核となった水道事業体側のメリットも確認されています。



 水道の広域化は、スケールメリットの効果を享受でき、格差の是正・平準化が可能で、技術・経営両面の運営基盤強化のための抜本的な方策として非常に有効であり、積極的に検討・推進していくことが求められています。

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