令和3年度 日本水道協会全国会議(オンライン開催)

東日本大震災から10年の歩み

福島県支部 事例紹介

①弁天山配水池1・2号池(福島市・H25~27年度整備)

1・2号池 8,400㎡
(昭和48年築 42年経過)
1・2号池 更新工事
RC造7,000㎡
 震災(本市の最大震度階6弱)での被害件数は220件にのぼり、受・配水池では8件の被害発生となりました。
 このうち、左側写真は、昭和48年に造られた配水池内部の破損状況です。池の内部にある壁が破損しましたが、右側写真の通り、緊急時給水拠点確保等事業(基幹構造物の耐震化)によって、ダウンサイジングをしながら更新工事を行いました。市内中心部への供給拠点である弁天山配水池の耐震化により、災害時でも最小限必要な機能を維持し、市民や都市機能に対する安定供給に努めてまいります。

②いわき震災伝承みらい館(いわき市・R2年度整備)

 いわき震災伝承みらい館は、東日本大震災の記憶や教訓を風化させず、確実に後世へと伝えていくことにより、災害に対する危機意識及び防災意識の醸成等を図っていくことを目的として整備されました。
 当館では、市内の被災状況に関するパネル展示や、実際に津波が押し寄せる映像等の上映、津波で被災し解体された中学校のVR技術による再現、防災グッズの展示、震災語り部による定期講話のほか、震災関連資料の収集や、多角的な情報発信などを通して、震災の記憶と教訓を伝えていきます。
※館内で上映している映像資料の一部に、被災した水道施設の復旧作業に従事したいわき市水道局職員のインタビュー映像が使用されております。

③拠点給水施設(いわき市・H25~27年度整備)

公共施設受水槽の改良
感震遮断器(公共施設受水槽の改良)
耐震性貯水槽
応急給水施設
東日本大震災後の災害対策として、災害時においても生命維持用水を確保するため、拠点給水施設となる公共施設受水槽の改良99基、耐震性貯水槽5基、応急給水施設3基を整備しました。公共施設受水槽改良は、公立学校等の受水槽に給水栓及び地震動を感知しポンプを停止させる感震遮断器を設置しました。また、水圧感知型の緊急遮断弁付きの耐震性貯水槽5基を新設、応急給水施設は緊急遮断弁が設置されている配水池と耐震管から給水されている避難場所等に給水施設(通常時は手洗い場として利用)3基を新設し、非常時の飲料水を確保しています。

④耐震補強_向山配水場(白河市・H29年度整備)

 東日本大震災の被災に伴い各施設の耐震診断を実施し、その結果耐震性能を満たしていない施設、向山配水場(3,000m3×2池)の基礎補強として、底版コンクリートの増し打ち及び底版外周に補強杭を打設し耐震補強を図ったものです。

⑤緊急遮断弁設置_向山配水場(白河市・H29年度整備)

 東日本大震災の被災を教訓に、白河市の主要配水池(向山配水場)に緊急遮断弁φ400㎜を設置し、災害時等の飲料水確保を図ったものです。