検査制度の背景と沿革
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 本協会の前身である「上水協議会」は、近代水道の創設期である明治37年(1904年)に、「水道水質試験法の統一のための協議会」として創設されましたが、水質問題に限らず浄水、配水等の技術並びに管理に関する問題等も討議されました。同協議会は、大正3年(1914年)に我が国初の水道用品の規格である「水道用鋳鉄管仕様書標準」を制定しましたが、同規格は昭和3年(1928年)制定の日本標準規格に移行するまでは、国内で製造される鋳鉄管の唯一の規格として、全国各地の創設水道に大きく寄与することとなりました。

  その後、上水協議会は、昭和7年(1932年)に発展的解消を遂げ内務省の許可を得て新たに「水道協会」として活動を開始しました。当時、水道事業体が使用する鉄管等の検査は、自前の検査設備を保有する一部の水道事業体では注文した製品を製造工場から搬入し検査を行っていましたが、検査設備を保有しない水道事業体では職員を製造工場に派遣して検査を行っていました。

 また、多くの水道事業体では、使用する鉄管等に市の紋章や管理番号を鋳出しさせていたため、早くから規格が制定され標準化が図られていたにも拘わらず大量生産や見込生産ができず、水道事業者及び製造者の双方にとって経済的にも時間的にも不効率な手工業的注文生産とならざるを得ない、負担の大きな仕組みとなっていました。

 このような時代背景のもと、昭和9年(1934年)の第3回総会において、会員の総意によりコスト縮減と検査効率を図るため、本協会の直営事業として鉄管及び属具の検査を主として製造工場において行うこと、また、統一的検査方法となる検査規程を作成し、翌10年(1935年)から水道用鉄管等の検査を開始することが決定されました。

 検査業務開始以降、水道用資機材の技術の進歩は目覚ましく、いろいろな材料の水道用資機材が開発され、その都度、規格に基づいた検査方法を審議・制定するなど、水道法に則った安全性を確保するため厳正かつ公正な検査を行っています。

 本制度は、本協会の会員である水道事業者、並びに検査工場である製造業者の双方の支持を得た合理的な制度であり、また、本協会の検査合格品は、水道事業者をはじめとする水道用資機材の使用者から長年にわたり信頼をいただいております。

 本協会の検査は、約80年もの間、水道事業者や水道施設の工事事業者の責任とされる水道用資機材の基準適合性を確認する行為を「第三者検査機関」として実施しており、「より良き水道用資機材の安定供給」をモットーに、全国各地の水道用品製造工場に検査職員を派遣し、安全で安心して使用できる水道用資機材の安定供給の一助として、浸出性検査、材料検査、水圧検査、形状・寸法検査及び塗装検査などの検査を行い、国民の健康の保持に貢献しております。

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